Artistry

沖縄三線の棹

三線は2018年には国の「伝統的工芸品」に指定され、日本国内だけでなく世界中から注目を集める楽器です。
一方で作り手が高齢化し、輸入品が広まるなど業界は大きな課題を抱えています。
アーティストリーは(株)ソプラクリエーション様からの依頼を受け、
3Dスキャンデータをもとに5軸CNCによる三線の棹部分の復元加工を行い、
課題解決のお手伝いをさせて頂きました。

伝統工芸品をデータとしてアーカイブ化、復元するプロジェクト

3次元測定事業を行う(株)ソプラクリエーション様は伝統工芸品である沖縄三線の棹の3Dスキャン・リバースエンジニアリングによって形状に関する検証を行いました。
そしてそのスキャンデータをもとに三線を復元するという、伝統的な技術をデジタルに代替するプロジェクトをお手伝いさせて頂きました。

3Dモデルで形状を確認

加工機専用のクランプで材料を固定

荒削りの様子

職人の手で最終仕上げ

2種類の棹を3本ずつ加工しました。

三線に使われるのは黒檀という木材でした。
黒檀は見た目が黒く、水に入れると沈んでしまうほどの重量感のある世界有数の堅木です。
また、三線は細長く、いびつな形状なので加工難易度も非常に高いものでした。
普段使用する吸着パットではなくクランプを使って材料の固定し加工を行うなど、様々な工夫を凝らしました。

★アーティストリーではスキャン→リバースエンジニアリング→加工→仕上げとワンストップでの加工が可能です。スキャンデータの加工で不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

株式会社 ソプラクリエーション コメント

代表取締役湯口秀人氏

当社では、3次元受託測定事業を行っており、工業製品から文化財に至るまで様々なご相談お受けしております。
その様なご相談の中、伝統文化財や工芸品をデジタルアーカイブ化し保存すると言うお話もお伺いすることがあります。
しかしながら、ふと疑問に感じましたのが、そのデジタルアーカイブとして保存をしているデータから、どの程度復元が出来るのかと言うことです。
実際のところ、将来的な為に保存をするので、直ぐに復元をしたいと言う話は無く、データ化して終わるのが一般的です。
そこで、たまたま趣味で弾いていた沖縄の伝統工芸品である『三線』を、デジタルアーカイブ化し復元出来ないだろうかと思いつき、試みることに致しました。
三線と言いましても、この度データから復元をしましたのは『棹』と呼ばれる木工の部分になります。
パッと見は長い棒だけのように見えますが、実際にスキャンしカーブになっている表面を、復元出来るレベルにデータ化するのは凄く手間の掛かる作業でした。
次に大変だったのが、実際に加工をして頂ける先を探すことです。
デジタルアーカイブとして残す意味には、将来的に伝統を継承する人がいなくなった時に、それでも復元が出来るのかと言うことです。
つまり、全く三線などの工芸品に携わったことが無く、デジタルデータからのみで復元して頂ける先を探すことでした。その様な中、偶然にもアーティストリーさんのHPを拝見し、面白い取り組みをされていらっしゃったのでお尋ねをし、この度加工をすることが出来ました。
出来上がった『三線』は、とても機械加工された物だとは思えないレベルの出来栄えで、実際に塗装でご協力を頂いたギター職人さんや、三線の太鼓制作でご協力を頂いた工房さんも、ここまで出来るのか。。。と仰って頂けたのが大変嬉しかったです。

寸法
:110×815×86
素材
:黒檀
塗装
:無塗装で納品
スキャン
:株式会社ソプラクリエーション https://sopra-inc.jp/

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加工、設計、相談も受け付けています。ぜひお問い合わせください。

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