継 / After story
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コロナ禍の中、自社の休憩所を全国7都市の建築系学生とオンラインで繋がり、設計から実際に建てるという日本初のオンライン産学連携プロジェクト。
このプロジェクトの発端となった大西さんに、プロジェクトに懸けた想いや実際にどのように困難に挑んのか、お話を聞きました。
「わの休憩所」プロジェクトが終わった後も、設計者や施主に限らず、異業種の経営者や学生、地域の方々との交流が広がりこの場所を起点に多くの新たな出会いが生まれました。「第二章」が始まったアーティストリーの今後の道のりとは。
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──「わの休憩所」が完成してから、どのような変化がありましたか?
完成から4年以上が経ちましたが、国内外から延べ900人以上の方々が私たちの会社を訪れるようになりました。下請けから表舞台に露出されたことで、今まで出会う機会のなかった元請けクラスの建築内装会社から問い合わせが増えました。また業界人だけではなく、学生や行政、異業種の経営者まで、本当にさまざまな出会いが生まれています。
──プロジェクトが次の仕事にもつながったそうですね。
はい。このプロジェクトを通じて新たなお仕事をいただく機会が増えました。今ではサウナや建築など、木工所という領域を越えた仕事も多くなりました。さらに嬉しかったのが、「この会社で働きたい」と共感してくれた若い世代の入社が県内外から続いていることです。大学との連携も始まり、今では毎年、3Dがやりたいというインターン生を受け入れています。
──このプロジェクトが、会社にとって特別な意味を持つ理由は?
「わの休憩所」は、私たちの会社の歴史を「第一章」と「第二章」に分けるとしたら、その転換点となる象徴的な存在です。第一章は、先輩たちが築いてきた職人の技術と信頼の積み重ね。そこに敬意を払いつつ、第二章では、若手が中心となって3Dデジタル技術、企画力も掛け合わせて、自分たちの手で価値を生み出していく時代に入っていく。そんな変化の始まりを象徴しているのが、このプロジェクトなんです。
──プロジェクトの完成後、社内の雰囲気に変化はありましたか?
大きく変わりましたね。「わの休憩所」ができたことで、社員一人一人の誇りや自信につながったのではないかと思います。外部の人が訪れて感動してくれる姿を間近で見ることで、自分たちがやっていることの価値を再認識できた。これは、言葉だけでは伝わらない、実体験としての気づきでした。
──他にも、ここが大きかったという点はありますか?
実はこの休憩所を作る前に、コロナ過で揺らぐ会社の指針となるような言葉、企業ミッションを社内の若手で考えていました。「Art is Try」。私たちのところには多様な相談が来ます。そこで、家具屋だから建築わからない、サウナわからないとすぐに断ることは簡単ですが、アーティストリーは「特注家具屋」として永年仕事をしてきました。私たち自身がTry(挑戦)すれば、相談に来る皆様のArtな想いが前に向くなら、挑戦心を大切にしよう!という想いを込めた言葉です。その言葉を胸に、休憩所を完成させたことは財産ですし、今もTryを続ける姿を、皆さんが逞しく見てくれているのも嬉しいです。
──今後に向けて、期待していることはありますか?
「わの休憩所」は完成しましたが、ここを起点としたプロジェクトは今も続いています。次は、ここに集った人たちと一緒に、また新しい挑戦ができたらと思っています。人が集まる場には、いつも想像を超えた化学反応が起きる。それがどんな形になるかはまだ分かりませんが、だからこそ面白いし、続ける価値があると信じています。
──最後に、今後に向けて伝えたいことは?
チャンスは待つものではなく、自ら動いて掴むもの。興味が湧いたら迷わず行動する。そうすれば、思いもよらない未来が開けると信じています。
「わの休憩所」は、私たちアーティストリーの挑戦の原点であり、誇りです。もし興味を持っていただけたら、ぜひ一度、この空間を見学しに愛知県まで来てください!
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『わの休憩所』は、アーティストリーの挑戦の象徴であり、未来へつながる出発点である。この場所で生まれる新たな出会いや発想を大切にし、これからも共に歩んでいく考えだ。訪れる人々を心より歓迎している。
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