コラム

継 / After story

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第2名古屋三交ビル 1階エントランスMUQUA オリジナルベンチ(プロジェクトの概要)3/4

名古屋駅から徒歩5分ほどのところにある、第2名古屋三交ビル。ここは普通のオフィスビルではありません。エントランスに入ると、木材で作られた美しい木材の曲線が広がり、モニュメントのようなベンチが目を引く木材に包まれた空間に圧倒されます。

そんな空間を手がけた営業の大西さんと設計の嶋村さんにお話を聞きしました。

【継01】人を繋ぐ街のビルに

── 納品からオープンまでの期間はどのくらいだったのでしょうか?

大西:オープンは2024年の6月で、僕らの納品はその半年以上前、2024年1月に終えることが条件でした。ビルの横を通る人たちが、ガラス張りの空間をのぞき込んで「ここには何ができるんだろう?」といったまなざしを向けていて、オープン前から期待感を感じていました。実際にオープンしてからは、吹き抜けの気持ちのいい空間で音楽が流れる中、ビジネスマンの方々がお弁当を食べたり、学生さんが過ごしたり。三交不動産さんが思い描いた「町の人がふらっと来られる心地よい場所」が実現していると感じています。

── 完成後にプロジェクトを振り返る機会もあったそうですね。

大西:会社の30周年イベントで、三交不動産の奥西さんや竹中工務店の伊藤さんを招いてトークイベントを開きました。挑戦の経緯や完成後の手応えを一緒に振り返ったのですが、皆さん口をそろえて「やってよかった」と言ってくれたんです。東京でもここまで木をふんだんに使った空間はそう多くないと思いますし、業界的にも注目度は高かった。

完成してまだ一年余りですが、僕らの工場を見学した方に「名古屋駅近くにあるので見ていってください」と案内できる作品ができたのは本当に嬉しいですね。

── 一般の人が体験できる作品になったことについてはどうですか?

大西:僕らの仕事はホテルやオフィスなど、一般の人がなかなか入れない空間にかかわることが多いんです。だから、自分たちの作品を誰もが体験できる形で残せたのは大きいですね。社員にとっても誇らしい事例になったと思います。

── 嶋村さんは個人的にもこの場所を活用されたとか。

嶋村:はい。実は結婚式の前撮りをこのベンチの前で行いました。オープン前でしたが設計の方にお願いして実現したんです。その写真を設計さんがアワードに応募したところ、結果的に大きな賞をいただけた。共用空間としてだけでなく、イベントや撮影の場としても活用できるのは、この空間ならではの可能性だと思います。

── このプロジェクトが示した新しい価値について、どう感じますか?

大西:オフィスビルが「働く人のためだけの場所」ではなく、地域や一般の人々に開かれた場所になり得るということを示せたと思います。実際に有名なコーヒー店の皆さんがここでポップアップを開いたりもしましたし、今後もイベントや展示の誘致が進んでいくはずです。僕ら自身も、この空間を活用して木の魅力を発信できるイベントをやってみたいですね。

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こうして、都市空間に自分たちの作品が設置され、日常の中で多くの人たちに触れられている様子を見ると、特注家具の仕事が単なる制作にとどまらず、人々の暮らしや時間に関わることだと改めて感じました。結婚式の前撮りやポップアップイベントなど、思いがけない形で活用されることもあるのですね。地元に自分たちの作品が根付いて、人々が集まる空間を作るという挑戦が、こんなにもワクワクするものだとは思いませんでした。私たちも、この場を訪れるたびに、制作の背景や職人たちの熱意を肌で感じられる気がします。

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