制作実績
愛知県産材PRのため、愛知県公館エントランス木質化リニューアル事業が計画され、
アーティストリーがデザイン設計から製作、施工まで手掛けました。
愛知県公館は、1969年12月の開館以降、内外賓客の接遇や重要会議、執務等の場として使用されてきました。
開館から50年以上が経過し、2023年4月から9月まで長寿命化改修工事を実施。
それと並行して、愛知県産木材をPRするため、エントランス部分の木質化を実施しました。
愛知県では、木材利用促進条例を定め、県内全域で木造・木質化を促進するとともに、
県の公共建築物でも率先して県産材の利用を進めています。
今回の改修工事では、国内外の多くのお客様が訪れる公館のエントランスに、県産のスギやヒノキを用いたモニュメントを設置しました。
モノづくりの盛んな愛知県には数多くの才能や技術、伝統文化が存在し、そこから素晴らしい「傑作」たちが今も生み出されて続けています。
今回はその傑作が生まれるプロセスを木質化で表現し提案しました。
製作には家具職人の手加工技術と自社が駆使しているデジタル技術をハイブリットさせた「3Dデジタル木工」が使われており、
愛知県のモノづくりが持つ技術力などをシンボリックに表現したデザインとなっています。
正面から見ると天井と飾り棚が繋がるように設計しています。無垢の木材を複雑な形状に削り出すことで、触れたくなるような木目の表情が現れています。公館を訪れた方々が豊かな木材表現に触れる事で木の魅力やモノづくりが盛んな愛知県をPRします。
県産材のヒノキの球体を「傑作の源」と名付けました。素晴らしい物や事(傑作)が産まれる元となる目には見えない部分をシンボリックに表現しました。
時間帯によって、日光の入り方が異なり、県産材の木の風合いが変化します。この温かく柔らかな表情も木ならではの魅力の一つになっています。アーティストリーは、従来の木工の既成概念を越えた「傑作の具現化」を通じて、来館者の新たな可能性の気づきや活力となることを願っています。
※愛知県公館は、一般公開、見学は行っておりません。
デザイナー コメント
嶋村侃士
職人さんの高い職人技術やものづくりの知恵を日々目の当たりにする中で、完成した「傑作」だけでなく、傑作を作る過程にも大きな価値がありそこに焦点を当てた作品を作りたいと思いました。
その「傑作の源」の部分を3D・5軸・職人の技術を駆使してシンボリックに表現しました。公館を訪れる方々に愛知県のモノづくりのすばらしさ、木の表情の豊かさを感じてもらえると嬉しいです。