制作実績
三重県鈴鹿市の長閑な田園地域に建つ、鈴鹿実践倫理会館のリニューアル計画です。地域に開かれた集会施設として活動が建物内部のみで完結するのではなく、周辺地域に対しても働きかけがある場とすることを目指しました。活動を外に開くきっかけとして、気軽に持ち運びが可能な合板家具を設置しました。
家具は三角形と台形の2つの形の天板と、スツールおよびテーブルの2つの高さを持つ脚からできています。天板と脚を組み替えることで活動に応じて自由に使い方を変化させることができます。
天板と脚の接合部は、木ダボ・フック金物・ネジの3重ロックで安全性を担保しています。一方でネジはコインで気軽に取り外しできるため、天板の取り外しの手間を最小限に抑えています。
設計段階においてはワークショップを実施し、家具をどのように使いたいか実際の利用者の意見をふまえて形状を決定しました。家具の位置と形を変化させながら、大人数での食事会や野点など様々なシーンで利用することができます。
イベント時には庭に置かれ、平常時は軒下に設置され、建物利用者が屋外に出るきっかけ屋外家具が生活を豊かに彩ります。
株式会社竹中工務店設計者 コメント
設計部 小林大介 氏
アーティストリーは、難易度の高い課題や設計条件に対して常にクリエイティブな解決策を提示してくれる存在です。
今回は竣工直前までワークショップを行ったため、製作期間に余裕がありませんでしたが、笑顔で協業対応していただきました。
屋外に木材を設置する場合のアイデアや、部材の取り外し易さと安全性の両立など、困難な課題に対して職人集団としての知識をたくさんいただき、
新しいものを生み出したい設計者にとっての最高のパートナーとして対応いただきました。